哀れヨコバイ、水分でおなかチャポチャポ
この体長数ミリ程度の昆虫、ヨコバイは、農家や家庭菜園でめっぽう嫌われる害虫。生きるために植物の汁をシコタマ啜る訳なんですが、必死に啜る植物の汁には栄養がほとんどない。ほぼ水分。
人に例えるならば、常にキュウリだけ食べているようなもので、非常に栄養効率が悪い。
そのため、ヨコバイは一日に体重の300倍ものおしっこをすることを強いられている。生きるためには、必死に味気ない汁を啜り続けるしかないのです。
こんな食事のせいで常におなかチャポチャポのヨコバイたちは、効率の良い餌に変えるでもなく、体をさらに小さくするでもなく、私たちには想像しがたい進化をして、この食事に体を最適化させたという。
超推進力でぶち飛ばす、おしっこ

投石機として、紀元前5世紀頃には使用されていたカタパルト。
投石先端のスプーン上の器具に乗せた石をぶっ飛ばすこの発明品なんですが、ヨコバイの排尿風景はこの投石機を彷彿とさせるナイススタイル。
誰しもが憧れるカタパルトおしっこの様子が、こちら。

針状器官に液滴を作成し、それをカタパルトスタイルでぶち飛ばす。
一見すると、セミの様な情けない排尿のほうが効率よさそうではあるものの、なんとこの排尿方法は、セミどものジェット噴射式よりも、消費エネルギーが4~8倍も少ない。無駄に超効率の排尿方法を進化の過程で獲得してしまったのだ。
この超効率排尿により、どれだけ水分をとっても、得られたわずかなカロリーを排尿で消費せずに済むという事。
そこまでしてまで植物の汁が啜りたいのかと疑問には思うが、こんなに効率の良い排尿スタイルを獲得したからには、栄養の無い汁でもせっせと啜る他ない。せっかくの進化がもったいないではないかという彼等の声が聞こえてくるが。
こんな進化をしてしまったのだから、もはや好きにさせてあげるのが優しさというものである。
しかし、人間の研究者はそうもいかない。
このヨコバイの排尿方法について、ある違和感からとんでもない研究結果を導き出してしまったのだ。
カタパルトの発射速度より、発射されたおしっこの方が速い。

こちらのGIFを見ていただくと分かる通り、発射部の動きよりも発射された液体の方が速度が速い。目で追うのもやっとなレベルである。
本来であれば、速度が発射部<液体となることはあり得ない。しかし、この昆虫は、植物の汁を啜りたいがためにその不可能を可能にしてしまったのだ。まさに思いの強さ。食欲のなせる奇跡。
発射部の液体には表面張力が働いており、針状器官には徐々にエネルギーが蓄積していく。そして発射部の周波数と液体の周波数が一致したタイミングで発射することにより、現代の人口テクノロジーでようやく到達した境地で彼らはおしっこしているのだ。
当然、彼らはそんなこと気付いてはいないが。
このようにして、超推進力でおしっこをぶち飛ばすヨコバイ。雨も降っていないのに、ちょっとだけ水に濡れたのなら、それはヨコバイの仕業かもしれない。
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